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阿武松の辛口一献

障害者と書くのはやめませんか?

障害 から 障碍 へ



阿武松が住む千葉県では今秋、ゆめ半島千葉国体が開催されます。これに続いて、「全国障害者スポーツ大会」(ゆめ半島千葉大会)も開催されます。これはオリンピック後のパラリンピックのように、国体終了後、3日間の日程で毎年開催されていますものです。しかし、「障害者」って漢字が気になりませんか?「害」の熟語には害悪・害毒・害虫・傷害・害獣・公害などなど・・・ヒドイものばかり。背景には「碍」の字を使えなくした戦後の国の漢字政策(当用漢字表)があったとはいえ、『害』はないのに「障害者」と表記されている当事者の気持ちを考えると切なくなりますね・・・最近では「障がい者」・「障がい」・「障がい福祉室」などと表記する自治体やメディアが増えてきたことは一歩前進かなと思いますが、「全国障害者スポーツ大会」との表記を変えない『(財)日本体育協会、文部科学省、開催地都道府県』には怒りが湧いてきます。

「バリアフリー」という言葉が広まった時代ですが、「バリアフリー」になった訳ではありません。かつて、私は「障害を持っている人」と発言してしまい、「阿武松さん、『持つ』には自分の意志で持つという意味があるのです。世の中には自分の意志で好んで障害を『持っている』人は一人もいないんですよ。『障害がある人・ない人』と言ってください。」と言われ、返す言葉に詰まりました。この秋の常用漢字表改訂では、是非とも「碍」の字を加えてください。名は体を表す訳で「障害」ではなく「障碍」と書ける日が来ることを切に願っています。(豊田さん、阿武松は陰ながら応援していますよ!!!)



豊田徳治郎氏の『tokujirouの日記』へのリンク



平成21年12月3日(木) 朝日新聞 夕刊 人脈記 〈漢字の森深く7〉

「碍(がい)」の字で社会は変わる

 普段の生活でよく使う漢宇を一覧にしたのが常用漢字表だ。国が選び、あくまで使用の目安だが、社会への影響は大きい。
 兵庫県芦屋市に住む豊田徳治郎(74)は、来年秋に向けた常用漢字表の改定作業を祈る思いで見守っている。
 「障害者ではなく、障碍(しょうがい)者と書けるようにしてほしい」
 豊田には苦い体験がある。高度成長期を商社マンとして生き、会社も起こした。家は妻に任せ、長男の実(47)とは親子らしい会話もない日々。1995年、実が統合失調症と診断される。でも何もできなかった。
 2000年に仕事を退き、初めて息子と向きあう。「自分は一体、何をしてきたのか。贖罪(しょくざい)しかない」。ボランティアで障害福祉に取り組むうちに、障害者という表記が気になった。
 「害のある人と誤解されかねない。名は体を表しますから」
 三十数年前のソウル駐在時代の記憶がよみがえる。日本語がよくできる取引先の部長に尋ねられた。「韓国では障碍者と書く。日本ではなぜ害なのか」。答えられなかった。
 障害も障碍も戦前から妨げの意で使われていた。害には災いの意味があり、害悪など否定的なイメージが強い。なのに障害が使われ、定着した背景には、国の漢字政策がある。
 敗戦の翌46年、膨大な漢字に手を取られていては国の発展は望めないと、使用を制限する当用漢字表(1850字)ができる。だが制限すべきではないという声も強まり、81年の常用漢字表(1945字)では目安とされた。この間、碍は一貫して採用されていない。
 今年1月、改定作業で最初の試案が公表されると、碍の採用を求める意見が20件も寄せられた。豊田が副理事長のNPO法人「芦屋メンタルサポートセンター」もそのひとつ。精神障害者に代わる言葉として、心的障碍者を提唱している。
 米国では障害者をチャレンジド(challenged)と呼ぶことがある。挑戦すべき試練を神から与えられた人。豊田は日本語でもこんな言葉がほしい。まずは「障碍」からだ。

 豊田は5月、「tokujirouの日記」というプログを始めた。碍について発信している。最初に応えたのが日本語学者の當山曰出夫(54)で、「敬意を表します」と伝えてきた。豊田が実のことを書いたのも、目的達成には目立つ覚悟も必要と當山に助言されたから。
 立命館大などで教える當山は、黒板に書く時に赤のチョークを絶対に使わない。色覚異常のある人は見づらいためだ。奈良市内の寺の住職でもある。
 10月に2度目の試案が公表され、碍はやはり採用されなかった。使用頻度が低く、熟語も障碍以外には碍子(がいし)と融通無碍(ゆうずうむげ)ぐらいしかない。そんな理由からだった。當山は言う。
 「障害や人権にかかわる漢字には、使用頻度とは別の判断基準が要ります。その意昧で、障碍の碍は政治的な文字なんです」
 當山は豊田と意気投合した。賛同者を募り、精神保健福祉の推進のために行動する「みんなげんき倶楽部」を11月20日に東京で発足させたばかりだ。

 企業にも変化がある。
 マイクロソフト最高技術責任者の加治佐俊一(50)昨年初め、自治体では「障がい」と表記している例があることに気づいた。部下で全盲のプログラマーに尋ねてみると、害を使わない動きが出ているという。
 うかつだった。日本版ウィンドウズ製品の開発責任者を長く務め、障害者への配慮を心がけてきたのに。「マイクロソフトはなぜ迷いもなく、害虫の害を使ってきたのか」。社内で議論し、製品や文書の表記で障害を障碍と改めることにした。
 最初の試案には碍の採用を求める意見を送った。10月に発売した基本ソフト「ウィンドウズ7」も障碍を採用している。そんなさなか、豊田からのメールでブログを知り、共感する。
 「あの方の主張がきちんと受け入れられたら、社会は優しい方向へ向かう気がします」
 文化審議会国語分科会会長の林史典(68)は、2度目の試案をまとめる時にこう発言していた。「碍は微妙な問題なので、結論はまだ出さない。最終案までさらに考えたい」
 可能性は残っている。












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